人力旅専門店 SOUTHERN WORKS

コラム

ツーリングを終えて

テツの小部屋

2005年07月15日

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久しぶりのプライベートツーリングが終わった。
得るものが多い旅だった。

まず、天気予報はあまり当てにならない。最後の2日間は海上では実況とは正反対の風が吹いていた。また、風が吹き抜けるポイントもなんとなく解ってきた。
それと潮流。九州西海岸をロングパドリングする場合、かなり影響する(潮汐差は全国各地でかなり差がある。九州西岸は日本ではかなり大きい)。特に平戸の瀬戸ではその凄さを体験できた。逆に、これをちゃんと把握して利用すれば楽できるが、そうも言ってられないのがロングツーリングだ。逆潮になると明らかに船足が遅くなる。

パドリングの技術も、1デイでサクッと漕ぐのでは解らない事が多い。50キロ近いパドリングを繰り返すと、肩・背筋は硬直しはじめ、手首も痛くなったりする。それを騙し騙し漕いでいるうちに自分なりのストロークが出来るようになるようだ。僕は10数年カヤックを漕いでいるが、この事が解るまで5年以上はかかったと思う。だが、初心者のパドラーでも、数日間のロングパドリングに耐えるガッツさえあれば、自分のストローク(漕ぎ方)をその数日で体得できるかもしれない。

地図読みも大事だ。特にこのエリアは岬、湾、島が多いので、ポケ~っと漕いでいるととんでもなく遠回りすることがある。逆に、状況によっては常に最短コースが取れる訳でもない。今は超便利なGPSなども多いが、長大な海峡横断でもしない限り、地図とコンパスで進みたいものだ。

海そのものについても。今回漕いだのは日本全体の海岸線のごくごく一部だが、その場所その場所で海の色が全く違う。風の吹き方も。海岸線も長崎~佐賀はリアスだが、福岡に入るといきなりビーチが多くなる。それまではなかなか上陸ポイントも少ない。一日8時間くらい漕いでいても、上陸する(できる)のは2~3回だ。
今回、漁師さんたちに色々なお話を聞く機会があり、各地の漁法の違い、漁港ごとに違う漁師気質、などなど興味深いことを知った。

ま、いつも僕は仕事でカヤックに乗っているが、たまにはこういう旅が必要だな~
と感じたわけです。カヤックを始めた頃のドキドキ感を忘れたくないので。
あんな小さなフネに生活用具をすべて詰め込んで、風・波を利用し、翻弄されながら移動できるのはカヤックだけだと思います。歩くより楽だし。先人達の知恵を実感できる道具です。

(写真:潮の転流時、七ッ釜から玄海・姫島に渡る。糸島はもうすぐだ)
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