人力旅専門店 SOUTHERN WORKS

コラム

テツの小部屋

2005年12月23日

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「とう」と読みます。本です。
沢木耕太郎が山野井泰史・妙子夫妻のギャチュンカン登頂と、その後の驚異的な危機からの脱出を描いています。帯には「もうフィクションか、ノンフィクションかは問題ではない!」みたいなことが書いてありました。でもノンフィクションでしょう。

ハイ、久しぶりに活字で泣きました。

僕は山岳登攀のことはよくわかりませんが、山野井夫妻が世界でもトップレベルのクライマーである事はもっと多くの人が知った方がよいと思います。本人はそんな事問題ではない、とは思いますが同じ日本人として、こんな実力・実績・精神力を持ったアスリート(あえてそう表現します)が存在する事は単純に誇りであります。

沢木耕太郎の著作は好きでも嫌いでもないなー、と思いつつほぼすべて読んでおりましたが(デビュー作?「テロルの決算」はオススメです)、この作品は意外なほどそっけなく表現してあり、それがなおさら壮絶な登攀と山野井夫妻の多くを語っているようでありました。

この登攀の記事が山岳雑誌に載っているのを、当時読んだ事を思いだしました。泰史氏が妙子さんの姿を「これが最後の写真になるかもしれない」と撮影した写真が掲載されていました。

極限どころではない状況での、夫婦の関係・・・生還そして復活への歩み・・・2人で30本近い数の指を失っているというのに・・・・・・!!

うまく表現できません。読んで見てください。本当に感動します。

蛇足。山野井泰史自身の筆による「垂直の記憶」もオススメです。静かな人柄(想像)の奥の熱すぎる思いを、少しだけ描きました、って感じです。
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