人力旅専門店 SOUTHERN WORKS

コラム

シーカヤックの本

テツの小部屋

2009年01月19日

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「SEA KAYAKING」CBSソニー出版 1990年発行。

もう20年近く前になるのですね。2艇の赤いFeathercraft・K1が印象的な表紙のこの本はジョン・ダウド著で日本語訳をしたのが堀田貴之氏とローリー・イネステイラー氏。日本のシーカヤック黎明期に大きな役割を果たしたお二人です。この頃はカヤック関連の出版物も多かったです。数年前再度訳されたものも現在では絶版になり、この本今買う事ができるのかな~と先程アマゾンで調べたら大変な値段になっていました。出版物が減っているのは景気の不振とインターネットの影響かなーとも思いますが、残念ながらネットがこの手の出版物の代わりにはまだ全くなっていないようです。この本は日本語で読む事のできる唯一のシーカヤック教科書と言えます。カヤックの本と言えば学生時代には野田知佑さんの著書を勿論愛読し、ミーハーにもサインまで貰った事があります。お恥ずかしい。忘れもしない15歳の春。
私がやっとカヤックを始めた年には、幸運にも日本一周中のローリー氏と会う事ができました。また同じその年には初めて日本一周を果たしたポール・カフィンと飲む機会(彼の本業は鉱山技師。私の故郷・大牟田の三池炭鉱を視察に来ていたのです)にも恵まれ、この2人からの影響はまだピュアだった?松本青年の脳天を直撃し、深い影響を残しました。カヤックを生業にしようと本当に決意したのはこの年だったかもしれません。ポール氏は私のギブソンレスポールを弾きまくり、良くわからん歌を歌ってくれたのを覚えています。ヘビースモーカーだったローリー。去年のお葬式では遺品のPFDのポケットから湿った煙草が2箱も出てきてみんなで笑いました。2人ともとにかく飄々としていて・・・とにかく格好良かった。
仕事が上手くいかなくて気持ちが下がり気味になるときなど、彼らに初めて会った時の事を思い出すと、またなんとなく楽しい気分になるのです。

堀田さんはその後自転車にも乗るようになり?そっち関連で取材に来てくれたりしました。著者のジョン・ダウド氏は数年前伊豆でのクリニックを受講させてもらいました。またFeathercraftのダグラス・シンプソンも私にとって忘れてはならない存在になりました。野田知佑さんとはその後何度か一緒に仕事させてもらったり、お手伝いに行ったりしました。我が身の未熟さを棚に上げてずうずうしく言わせて貰えば、私は彼らの子供みたいなものだという事です。あの頃の彼らが始めたシーカヤックは何ちゅうか、とても格好良かった。そしてシーカヤックというものは今でもそうだと私は思っています。
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ローリー・イネステイラー Feathercraft HPより拝借
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