人力旅専門店 SOUTHERN WORKS

コラム

漂流は人生だけに

テツの小部屋

2010年12月07日

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・・・したいものです。

スティーブ・キャラハン著 「大西洋漂流76日間」ハヤカワ文庫


漂流ものの定番書です。お読みになった方も多いでしょう。ヨットが転覆して緊急用のイカダ(ゴムボート)で漂流するお話です。水、食料の確保などとても興味深く、またイラストで装備を詳しく説明してあるのが親切です。私はカヤック旅には必ず日数分以上の本を持って行くのですが、こういう漂流譚をテントの中で「ああ大変だな~こうならなくてよかったな~」と読むのが一番好きです。なのでボロボロになってしまいました。

ほかにもこの手の本には面白いのがたくさんあります。著者の性格などがそれぞれにモロに出て面白いです。このキャラハンは漂流当初、とにかく気が狂うのではないかと心配します。だんだんそうじゃなくなるのですが。

また、キャラハンが漂流中に参考にするサバイバルブックの著者でもあるロバートソン一家の話(題名忘れた・本棚から見つかりませんでした)はとにかくポジティブです。何せチビッコ含めた一家4人プラスクルー一人がゴムボートで漂流し、最終的にはそれを捨てて引っ張っていた超小さなディンギーでさらに漂流し最終的に全員生還。読む方も後味爽やか。

割りに最近の話で転覆したトリマラン(三胴船)で漂流する「奇跡の生還」では男4人の諍い、特に船長である著者がクルーにたいしてやたら怒りまくっているのが面白いです。船長の若いころのフィジーあたりでのイケイケプレイボーイぶりも書かれています。かなりやらかしてます。この漂流では船が残っていたからか意外なまでに良いもの食べてたり、また生還してからのストレスが細かに書かれてまた興味深いです。

あとは自主的漂流ですがハイエルダールの「コンチキ号漂流記」斉藤実の「太平洋漂流実験50日」なども面白いですよ。風が吹いて漕げない日に読んでみては。
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